変形性膝関節症の治療

変形性膝関節症の治療には「保存療法」と「手術療法」の2つがあります。
保存療法はまだ初期の、症状の軽い患者さんに対して行うもので、薬を使う「薬物療法」や「運動療法」、「装具療法」、「温熱療法」、「食事療法」などがあります。
これらの中でも特に運動療法は重要です。運動療法では主に大腿四頭筋を鍛えるのですが、この運動療法だけで、他の療法を用いなくても症状が軽くなる場合もあります。ですから、症状の重い軽いを問わず、変形性膝関節症の患者さんは大腿四頭筋を鍛える運動療法を行うべきでしょう。
薬物療法は、炎症を抑える消炎鎮痛剤を飲んだり、腫れを抑える湿布薬を貼ったりします。膝関節水腫ができていて膝に水がたまってしまっているときはそれを抜いてステロイド剤や高分子ヒアルロン酸を注入したりもします。
装具療法は関節の保護と支持性の確保を目的として、膝が動きにくくなったり変形したりしているのを改善するための治療法です。O脚が原因で中程度の変形性膝関節症の患者さんは足底板を使うと効果的です。
温熱療法は患部を温めて直そうという療法です。温熱の方法は熱伝導、電磁波、超音波の3つがあります。保温することで血流がよくなり、その結果新陳代謝が促進されるのです。
食事療法は、肥満気味の人に対して体重を減らすための食事の制限等を行う療法です。
こうした様々な保存療法を行った上で、それでも症状が良くならない場合には手術療法が選択される場合もでてくるのです。