変形性膝関節症のレントゲン検査とMRI検査

現在、変形性膝関節症かどうかの診断は症状の有無ではなく、レントゲン検査による所見によってなされます。
レントゲン検査では、膝関節の関節面の開き具合(関節裂隙)から軟骨のすり減りの程度を判断します。更に、骨棘形成や関節の土台である軟骨下骨の硬さ(骨硬化)から骨自体の変形をみたり、膝のO脚の程度を評価します。
これらの所見を総合し、変形性膝関節症の程度を軽度~進行期まで4・5段階にわけるのです。
通常、膝のレントゲンは正面と側面、さらに膝蓋大腿関節の3方向から撮りますが、脚全体の形を見るために下肢の全長のレントゲンを撮ることもあります。あとは必要に応じて様々な方向からの写真が必要になります。縦軸方向の写真は専門的には軸射像(スカイライン・ビュー)といい、膝蓋骨や膝蓋大腿関節の状態を見るもので、通常は膝を40~60度曲げて、足先から顔への方向で撮影します。
レントゲン検査でわかる変形性膝関節症の特徴は以下のことなどです。
1.骨の表面がトゲトゲに見える骨棘形成
2.関節の隙間が狭く見える
3.軟骨の下の骨の硬化
4.囊胞の出現
5.O脚、骨の形の変化
O脚かどうかは、大腿骨と脛骨がつくる膝の角度をレントゲン写真で測ります。
通常のレントゲン検査では主に骨の形を中心に見るのに対し、MRI検査は画像を通して軟骨や半月板、靭帯や滑膜など、骨以外のものの状態をある程度見ることができます。また、骨の内部構造(骨髄)の状態もレントゲンより詳しく確認することができます。特に半月板や軟骨の損傷の程度と影響の有無を調べる目的でよく用いられます。