変形性膝関節症の鑑別診断

変形性膝関節症そのものは、問診と視診、触診、そしてレントゲン検査でほぼ確実に診断することができます。しかし、膝の痛みや腫れを起こす病気は他にもあるので、診断の際には変形性膝関節症とこれらの病気をきちんと区別する必要があります。これを鑑別診断といい、適切な鑑別診断を行うために、いくつかの検査を追加する場合があります。
●血液検査
関節の腫れや熱感が強く、激しい関節炎がある場合、体全体の炎症反応の程度を知る目的で白血球や血沈、CRP(C反応性たんぱく)を調べます。
また、関節リウマチや痛風による関節炎では、それぞれ血液中のリウマチ反応や尿酸値が上昇するので、血液検査は非常に大切です。
さらに、遺伝性を伴う病気の存在を調べるためには、血液検査によって遺伝子を見極める必要が生じます。
●関節液検査
関節の腫れは、関節炎に伴って滑膜からの関節液の産生が増えることによるものです。ですから、通常はさらさらした透明な液が貯まっています。しかし、膝関節に細菌が侵入して化膿を起こしたような場合には関節の中に膿が貯まります。また、外傷によって半月板や軟骨が傷つくと、関節の中で出血するため、血液が貯まります。このような場合には膝に針を刺して関節液を直接採取して調べることが必要です。