大腿四頭筋を鍛える運動:セッティング法

変形性膝関節症におすすめの「セッティング法」のやり方を説明します。
1.仰向けに寝て、あるいは足を伸ばして座り、膝の後ろに薄い枕かクッション、タオルなどを巻いたものを置きます。膝の状態によって枕の大きさは変わりますが、運動が楽にできるくらいの大きさにしてください。膝の伸びが悪い場合は大きめの枕を用意します。
2.足を伸ばしたまま、膝のお皿をぐっと引き上げるように、静かに大腿四頭筋を10秒ほど収縮させます。すると大腿四頭筋が緊張するのがわかるでしょう。膝を80%の力で伸ばす(枕を押さえつける感じ)だけです。
3.関節を動かさずに、筋肉だけを収縮させます。(等尺性運動と言います)その時に膝の裏の枕をそっと押しつける感じがわかると思います。
4.膝のお皿を引き上げる(膝をグッと伸ばす)感じで続けてください。10秒間、筋肉に力を入れたままの状態にするのが重要です。運動はゆっくりやりましょう。
5.足首には絶対に力を入れないようにしてください。また、誤解してふくらはぎ側の腓腹筋や、股関節を伸ばす股伸展筋を使うと、それらの筋肉に痛みを生じることもあります。
6.1回に運動する回数(セット)を30回として、一日3セット以上(最低100回)を基本として、徐々に回数を増やすようにしてください。
7.反復してこのセッティング法を実行すれば、大腿四頭筋の現状維持ができて筋肉がやせるのを防ぎ、さらにしっかりやればじゅうぶん筋肉がつきます。慣れれば枕なしでもできます。

このセッティング法での誤りやすい点は、下肢全体を伸ばす運動と思い込むことです。あくまでも「膝をグッと伸ばす」ことに主眼点をおいた運動をしてください。