変形性膝関節症の薬物療法

変形性膝関節症の治療に用いられる薬は、2つのグループに分けることができます。
最初のグループは、膝の関節炎を治すことにより痛みや腫れを和らげようというもので、「消炎鎮痛薬」といいます。一般的に痛み止めと言われているのがこのグループの薬で、変形性膝関節症に対する薬物療法の大部分を占めています。
消炎鎮痛薬には飲むタイプ(内服薬)、塗ったり貼ったりするタイプ(外用薬)、坐薬があり、膝の症状に合わせて医師や薬剤師と相談し、どの薬を使うか決めます。薬には必ずなんらかの副作用がありますので、薬の処方時にその副作用についてしっかり説明を受け、使用後に異常がないか注意しなくてはなりません。内服薬タイプの消炎鎮痛薬の代表的な副作用は胃腸障害です。外用薬タイプでは皮膚炎が生じることがあります。従って、胃腸や皮膚が弱い人は特に注意が必要です。
第2のグループは関節内注射薬で、ヒアルロン酸やステロイドを関節内に直接注射するというものです。
ヒアルロン酸は関節内で骨の働きを滑らかにしたり、クッションのように衝撃を緩和させる関節液の主成分です。このヒアルロン酸には次のような効果があります。
・関節の働きを改善する
・膝の痛みを軽減する
・炎症を和らげる
一方、ステロイド剤は強力な抗炎症作用で炎症を抑えます。即効性があるのが特徴です。一方で軟骨や骨が弱くなったり、感染症などの副作用を起こすことがあるので注意が必要です。